蔵元の家紋「比翼鶴」が代表銘柄です。
比翼の鳥とは、雌雄一体となって飛ぶという鳥。連理の枝とは、木の枝同士が連なって木目が通じ合っていることを表わし、どちらも仲睦まじい様子が表現されています。
その名の通り二ノ宮社長と専務さんのとても仲の良いアットホームな雰囲気のまさに比翼の鶴のような親子です。何か縁起を気にするご縁談や受勲のお祝いなどには、欠かせない銘柄です。
1895年(明治28年)創業。比翼鶴酒造を経営する二ノ宮家は、士族の家系である。“侍の酒”と聞くと、刀でスパッと切ったようなあっさり目の味を想像するが、代表銘柄の清酒「比翼鶴」はどっしりとした味わい。なぜなら、地元の人たちの晩酌を想定しているからだ。
蔵の跡取りで、酒造りの現場責任者である、常務の二ノ宮啓輔さんは、先祖の研究がライフワークという。「士族出身で良かったのは、家系図が残っていることですかね」。歴史マニアらしく、自らホワイトボードに家系図を書いて、二ノ宮家のことについて説明し始めた。
「比翼鶴」という蔵の名前は、先祖の家紋から来ている。かつて柳川の地を治めたこともある先祖の蒲地氏が、鎌倉将軍からもらった紋という。二ノ宮家の家系図をたどっていくと、平安時代まで続くというから、驚きだ。
啓輔さんに酒造りで大事にしていることを聞くと、すぐに「麹をしっかりつくること」と力強い声が返ってきた。麹を丁寧につくることで、味がしっかりし、品質も劣化せず、コシの強い酒になるという。「比翼鶴の酒は、味の濃い料理でも受け止めてくれると、地元の人にも好評です」 「博多日本酒吟醸香より抜粋」
- ◎蔵元情報
- 比翼鶴酒造
- 〒830-0204 福岡県久留米市城島町内野466-1
- TEL.0942-62-2171
- https://www.hiyokutsuru.co.jp/